ya8 2024に参加してきた #ya8

uzullaさん主催の「みんなで作るテックカンファレンス」のya8に参加してきました。 わたしはアンカンファレンススペース担当として、二日間アンカンファレンススペースの切り盛りをさせていただきました。アンカンファレンスのキモは「一方通行ではなくて参…

解釈一致、解釈違いという言葉について

解釈一致、解釈違いという言葉をここ数年(つっても10年単位か?)よく耳にするようになった気がする。 たとえば、ひどくずぼらである、というイメージを持たれているひとが「冷蔵庫の中に卵があるのを忘れてて、賞味期限を一ヶ月切らしちゃったんだけど、ま…

組織やチームの慣性力に負けない心構え

組織やチームはそれぞれルールや文化、仕組みを持っている。この仕組みやルール、文化はときに外部から見ると「アンチパターン」に陥っているようなこともある。そのとき、「アンチパターンを抜け出してベストプラクティスを」と言うのは簡単だけど、実際に…

クラスやメソッド、関数を分割するとき、その中の複雑さは減るが全体の複雑さは増える

タイトルで全てを言ってしまった。 クラスやメソッド、関数が大きくなってきたとき、これを分割したいと思うのは当然のことだと思う。分割統治することでひとつひとつのコンポーネントはシンプルになり、メンテしやすくなる(はず)だからだ。一方、クラスや…

計算量の見積りは「最適化するするため」だけではなくて「複雑な最適化をしないで済むため」にも大事

とくにサーバーサイドのソフトウェアエンジニアリングにとって、計算量の見積りをするのは大切だ。というと、「うん、そうだよね、最適化って大事だよね」という話になりそうだけれど、今回書くのはそういうことではなくて、むしろ「最適化をしないで済むた…

生成AIによって、演奏の仕事が置き換えられていく可能性は低いと思う。が……

生成AIと音楽について。 掲題のとおり、わたしは生成AIが「演奏」という仕事を置き換えていく可能性は低いと思っている。というか、「もうとっくに別のものによって置き換えられている」というほうが正確かもしれない。というのも、すでに我々はDTM、コンピ…

ボトルネック以外をいくら直しても無駄なのはソフトウェアだけではない

資本主義下における労働は資本主義下における労働であるので、利益を追求する必要がある。わたしは、ソフトウェアあるいはインターネットサービスで労働を行なっているので、これからソフトウェアあるいはインターネットサービスの労働の話をする。さて、ソ…

ナレッジワーカーの集団にとってのアクセルは文化、ブレーキはルール。文化は行動が作る

よく、「仕事の属人性を排除して、仕組みやルールで標準化すべき」ということが言われる。これは決して間違えていないと思うけど、一方で片手落ちだと思う。たしかに、労働集約型の事業においては、「人数を増やせば増やすほど利益につながる仕組みやルール…

言うんじゃなくてやる以外に方法がない

「顧客中心主義」という言葉を振りかざすひとは胡散臭く感じてしまうが、一方で重要な考え方であるとも思うアンビバレントがある 労働についての話。 労働をしていると、「どうしてうちの組織はこうなってないんだ」とイライラすることはだれにでもあると思…

「才」を「オ」と書いても問題ないが、「ツ」を「シ」と書いたら問題がある話は結構面白い問いだと思う

漢字テストが理不尽である、という話は定期的にインターネットを駆け巡る。最近も「才」を「オ」の形(これちゃんとわたしが意図したグリフで見えているかが環境依存なんだよな……)で書いたのが「間違い」扱いされた話が話題になっていた。 最初にわたしの立…

アマチュアバンドこそセルフレコーディングしようぜって話

2023年度を迎え、所属するバンドも新しい音源の制作としてレコーディングを開始しました。わたしの所属するバンドは、2度ほどいわゆる「エンジニア付きレコーディングスタジオ」でレコーディングをしたのですが、そのあとの音源制作は、基本的に私がエンジニ…

フジゲン製テレキャスモデルにトーンカットスイッチをつけた

フジゲン製のテレキャスモデルを持っていて、メインギターというわけではないけど、メインの次くらいに編曲仕事で使っている。このギターはアッシュボディにメイプル指板、見た目もブラックガードを意識したスペックになっている。現代のテレキャスというと…

最強のギター宅録環境 ver. 2023 1月

編曲やレコーディングを真剣にやり始めて、他人様に提供するようになってから随分と経つ。その中で、自分にとってはエレキギターの録音が最も難しい課題のひとつとしてずっと立ちはだかっていた。もうずっといろんな手段を試してみたけど、最近ようやく満足…

ライブの際にBPMを視覚的に教えてくれる便利なやつ作った

自分のバンドで使いたいから作った。 ニーズ ライブをやるときに、セットリストが足元にあると便利。 BPMも同時にわかると便利 便利なんだけど、ふつうBPM:88ですって言われてもそれがどれくらいの速さなのかはパッとわからない 楽譜アプリとかで、視覚的にB…

黒鍵の「この音」、なんと呼ぶ問題

先日、絶対音感持ちだけど楽典には弱い(楽典に弱い、というのは本人談。ぼくがその人をみていてもそんなにめちゃめちゃ楽典弱いとも思わない。強いとも思わないけど)の友人が、調がB♭マイナーの楽曲のメロディーの中の、m3に当たる音を指して「ド♯」と言っ…

スケジュールとスコープはトレードオフだが、ではユーザーストーリーは?

よく、プロジェクトマネジメントにおいて、「品質、コスト、スケジュール、スコープ」はそれぞれトレードオフにあり、すべてを固定することはできないと言われる。ここにt_wadaさんの「質とスピード」の話を合流させると、品質はスケジュールとトレードオフ…

重要かつ高コストな「合意」の扱い方

組織やチームにおいて、合意は非常に重要だと思う。そもそもなんらかの合意が存在しないチームや組織はそれはもはや組織やチームではなく、バラバラな個人の集まりとなる。 一方、合意はとても高コストだ。全ての行動に合意が必要となる場合は、動きはとても…

謙虚であるために、謙虚であってもらうために

謙虚と卑屈の違いについて考えていたら、思い当たったことがある。それは、卑屈は目線が自分だけに向いていて、謙虚は目線が他人とのコラボレーションに向いているのではないか、ということだ。 例えば、自分の作った曲が100万再生されたミュージシャンがい…

「リズムの重心」という言葉について考えるのをやめた

最近のベースの練習で向き合っているリズムのオカルトを解き明かしたい - 猫型の蓄音機は 1 分間に 45 回にゃあと鳴く この記事の続き。 この記事では暫定的に「重心って要するにアクセントね」と結論づけたが、どうもそのあとそう思って練習していてもまっ…

すでにわかっているひとにはわかるけど、まだわかってないひとにはわからん文章

今日は掲題のような文章について。 世の中には「すでにわかっているひとにはよくわかるしとてもわかりやすいんだけど、わかってないひとにとってはなんのこっちゃかわからん」みたいなタイプの文章が存在すると思う。 たとえばソフトウェア開発の文脈で言う…

継続してプロダクトの品質を保つためにはプロダクトに向き合うだけでは足りないという話

ソフトウェアの内部品質への投資を怠ったが故に、その内部品質がビジネスの足枷になってしまった、という失敗はよく聞かれる例だと思う。 そういう場合、「なのでソフトウェアの内部品質を直しましょう!」と言う発想になりがちだし、当然そのための投資を始…

アジャイルなプロジェクトマネジメントにおける「スコープ調整」でやるべきこと、やるべきではないこと

アジャイルなプロジェクトマネジメントの勘所のひとつとして「スコープを調整する」があると思いますが、これを「どの機能を落しますか」とか「どの画面落としますか」「機能の優先順位はどうなってますか」とかそういう話だと認識すると不幸になると思って…

ソフトウェアの「適切な構造」の構成要素とは?

いろんなところで主張してきたことの繰り返しになりますが、ソフトウェアの設計とは、「解きたい問題に対して適切な構造を与えること」だとわたしは考えています。 「解きたい問題に対して適切な構造を与えること」という以上、「解きたい問題」が変われば「…

チームでのファシリテーションで心掛けてること

最近現場に入っていって改善おじさんをやっているのだけれど、その中で「しんぺいさんのファシリだと納得感もってなおかつ物事が決まっていく」と言ってもらえて、これがとても嬉しかった。納得感とものごとが決まること両方が必要な場合に、自分がファシリ…

自責か他責かというフレームはいっそ有害なのではという話

よく「ビジネス〜〜」みたいな話の中で「他責思考をやめて自責思考になるべし」みたいな話がなされると思う。 これって「あいつのせいでXXできない」っていう考え方をやめえや、って話だと思うんだけど、その対義語?として「自責思考」ということが言われて…

いつのまにかVPoTになって1年以上経ってた

軽く振り返りたい。 去年の10月からVPoTになって、ずっと手探りでやってきていつのまにか1年以上経ってた。 正直言って、始めてから半年くらいは「何を期待されていて、自分ができることが何で、それをどう進めるべきか」が全然わからなくて、自分が何をすべ…

映画:フィッシュマンズ観てきた

fishmans-movie.com フィッシュマンズを最初に聴いたのは多分高校生の頃だったと思う。記憶はあまりたしかではないのだけれど、「Oh! Mountain」という、ライブ音源に編集を加えた一風変わったアルバムが多分ぼくのファーストコンタクトだったと思う。正直最…

最近のベースの練習で向き合っているリズムのオカルトを解き明かしたい

最近、ベースの練習はフィジカル(指が正確に動く)の練習もだけど、それ以上にリズムに向き合う練習をしている。 リズムに関しては、「XXなイメージでリズムを感じるとノリが変わる」みたいな禅問答めいたことを言うひとが非常に多く、そこに対してエンジニ…

シン・エヴァンゲリオン劇場版:|| 観た

ひとによってネタバレの範囲は異なるし、いつまでネタバレを回避すべきかもというのも明確なラインはないように思うし、情報は受け手がフィルターすべきだと思っているので、受け手がフィルターできるように最初に書いておくけど、直接的なネタバレらしいネ…

年末年始休みでメトロノーム作った

年末年始なので、ふだんなかなかまとまった時間が取れずできないことをやろうと思い、メトロノームアプリケーションを作った。 世の中にはメトロノームアプリは掃いて捨てるほどあるのだけれど、十六分音符や三連符、あるいは六連符でクリックをならせて、し…