NDS57 で発表してきました

新潟県長岡市では、定期的にNDS長岡IT開発者勉強会)という勉強会が開催されています。詳しい話はClassMethodのまさるさんという方がDevelopers.IOに書かれているのでそちらを参照してください(丸投げしていくスタイル)

dev.classmethod.jp

そのNDSの第57回(!)が先日開催されました。なんと、今回はテーマが「学習・教育」だというではありませんか!教育事業をやっている弊社から、長岡市出身のぼくが乗り込まないのはありえないのでは!?というわけで行ってまいりました。

自分の発表内容

自己紹介をかねて、前半では現在の所属先であるClassiという会社がどのような事業をやっているのか、学校教育とどう関わっているのかという話をさせていただきました。後半では自分がjoinしてからどういう技術的課題どういう考え方でどうやって解決したという話をしました。事実と意見の割合でいうとちょっと意見の分量が多すぎて、スライドだけ公開するといらぬ誤解を与えかねない気がするので公開の予定はありません。

印象に残った発表

以下、特別に印象に残った発表だけに絞って感想を書きます。

新入社員研修の作り方~完全版~

冒頭で名前を挙げさせていただいたまさるさん(@masaru_b_cl )の発表です。スライドどっかに上がってた気がするんだけど見つからない……スライドアップしてくれました

  • 地方と呼ばれる地域で就職するひとたちのモチベーションは「どういう業界で働きたい」とかよりも「この地域で働きたい」ということが多い
  • 都会と比べて地方と呼ばれる地域はまず人が少ないので、東京と比べてそもそも人間が貴重なリソース
  • 結果として「未経験OK」でないとそもそも人が取れないという現実がある(賛否両論あるとは思うけど!とのこと)

というお話から、だからこそ地方と呼ばれる地域のSIerでは新人教育の重要性が高い。という話はとても納得感がありました。

その中で「じゃあどうやって効果的な研修をするんだ」という部分では、インストラクショナルデザインを参考にしながら、科学的再現性のある手法に法って研修内容を定めていっており、「教育方法」という暗黙知になりがちな部分をexplicitにしていくさまはぼく自身非常に参考になりました。

はじめてのOSSライブラリ開発記

@yuw27bさんによる発表でした。スライド

技術スタック的には「モダンでちゃんとした環境」のひとことではあるのですが、「自分が何を考えてどういう判断でこういうことをやったのか」ということがしっかり聞けてとてもためになりました。また、発表の本筋ではない部分なのですが、「科学研究の世界の課題をきちんと技術で解決する」を地で行っていて、「これは"技術者"として完全にあるべき姿だな、かっこいいな……」となりました。ご自身のことを「科学研究に伴いあれこれをweb技術でお手伝いしてる一般的なwebエンジニア」みたいな言い方をしていましたが、ふたつの意味で「逸般的」だと思います…… 。

  • 問題解決のためのスキルが高すぎてそれは一般的なとは言えないレベルでは……
  • Neo4Jは一般的なwebエンジニアの技術スタックじゃないと思う!

オンライン英会話ビジネス史

NDSの主催者である@civicさんによる発表です。スライド

オンライン英会話ビジネスが群雄割拠な様も面白かったのですが、それ以上に、自分の学習の過程を可視化するために自分でChrome拡張を書く、というところがかっこよかったです。civicさんはいつもまず家族や自分が直面しているなにかに対して自分の技術でHackするという姿勢があって、そういう姿勢が「勉強会とかコミュニティがないなら作ればいいんだ」という形でNDSを作ったことにも繋がっているのだろうと思います。問題を見つけて、自分の技術や力でチャチャっとハックする、ぼくが本当に尊敬する「ハッカー」の一人です。今回のHackの詳しい内容(IndexedDBの話とか謎のスクレイピング技術の話とか)も聞きたいのでどこかで話してほしい!!

おわりに

NDSの良いところのひとつとして、「発表する参加者が多いし、懇親会で発表者と参加者の壁が一切ない」というのがあると思っています。回数を重ね、だいぶ参加者も増えている中で、「発表する人と聴く人」という分断が起こっていないのは本当にすごいことだと思います。結果として、「ぼくも登壇してみようかな」となりやすいし、登壇することによってぼくたちは「自分がどういうことを考えてどんな問題に取り組んで何を得てきたのか」を言語化し、振り返る機会をいただけます。この機会は非常に重要で、言語化し、振り返ることで学習の定着が起こるし、メタ認知の獲得にも役立ちます。

ぼくはよく自分のことを「NDSとhachioji.pmに育てられた」というのですが、NDSとHachioji.pmでなんどもこの「言語化と振り返り」をしたことが、いまのぼくを形作っています。