2019年音楽活動振り返り

去年もやりましたが、12月となったので今年関わった音源を順に(記憶があいまいで、多少の前後があるかも)振り返りたいと思います。

夕暮れによせて

曲を作ったのは去年なんだけど、歌詞ができなくて放置していたやつ。歌詞がついたので歌った。この曲はコード進行とメロディがドラマチックなので、「ピアノ〜」「アコギ〜」みたいにやっちゃうと昼メロドラマみたいな腐臭が漂い始めるのだけれど、あえてのシンセベースとクールめなエレピにしたところが自分で気に入っている。リスナーとして信頼している友人が「ドラムの展開が面白い」と言ってくれたことが嬉しかったし、バンドメンバーのタダくんが非常に気に入ってくれたこともうれしかった。一度デュオでやったけれど、うーん、バンドでやるには不向きな曲かなとは思っていて、バンドでやることはなさそう。あと、この音源を聴くと当時はミックスにまだまだ興味を持てていないことがよくわかる。

Sounds Around (My Life)

現在ぼくが最も信頼するボーカルであるところのつるえさんに初めて書いた曲。この曲については一度このブログでも書いた。当時の全力をぶつけたつもりだけど、今になって冷静に聴いてみると、つるえさんの歌に楽曲が負けてしまっていると感じる。ミックスも今聴くと下手くそですね。自分の歌をミックスするぶんには下手くそでも大した問題はない(ある)んだけど、つるえさんの良いボーカルを活かすためにはミックスも重要だと気づいた。「もっときちんとミックスができるようにならないといけない」と感じてミックスを頑張り始めるきっかけになった曲かもしれない。

カレイドスコープ

Sounds Aroundがきっかけ、というわけでもないのだけれど、その後つるえさんと一緒に「錦玉もなか」という名前でユニットをやることになった。そのユニットはEテレソングなどを演奏したりしているのだけれど、オリジナルがほしかったので作った曲。つるさんの声はほんとうにすごくて、どのような楽曲を書くか、あるいはどのようなアレンジをするか、どのような歌詞かによって本当に様々に表情を変える。その様が万華鏡のようだな、と思ったので、万華鏡をモチーフにした曲を書いた。それと、つるえさんにThe SupremesとかThe RonnetesとかThe Emotionsみたいな「かわいい系」かつブラックミュージックな香りのあるシンガー(だれかに怒られそうな表現だなこれ……)みたいな曲を歌ってほしかった、というのが合わさってこのようになった。そんなわけでド頭はThe Supremes「Baby Love」からの引用。

「こうしたい」というイメージだけ先にできてて、メロディと歌詞がずっと出てこなかった時期が2ヶ月くらい続いたあとに、ふと通勤中「きらり さらり しゃらら 万華鏡まわす」のフレーズを思いついて、「勝った!」と思った。実際そこからは一瞬で出来上がったのが良い思い出として残っている。錦玉もなかはふたりユニットなので、この音源のような豪華なバージョンで演奏されることはおそらく今後もないであろう。今聴き直すと最後のドラムなんかは山下達郎「パレード」あたりからの影響を感じる。

ミックスは頑張ったけど頑張りすぎてだめになってるパターン。やりたかったのはフィル・スペクターとかナイアガラみたいなサウンドなんだけど……。こうしてひとは失敗しながら学んでいく。

ラウンドアバウト - EP

これは今年の活動の一番でかいトピックス!

バンドでスタジオ盤を作った。宅録音源とは異なりきちんとしたレコスタできちんとしたエンジニアさんにきちんとお金を支払って。クロスフェードデモを聴いてすこしでも良かったらぜひ!https://triothecmyk.bandcamp.com/album/epからご購入ください! bandcampからじゃなくても、spotify, AppleMusic, Amazon Music, Google Play Musicなどでも配信中です。このレコーディングの経験はその後の宅録にもだいぶ生かされていて、「ははーんなるほど〜、そうやるのか!」みたいな学びがすごかった。

ツイストドーナツ

これはこのブログでもたまに登場するtmrrさん案件。tmrrさんが高校生の頃に御学友と一緒に書いた曲とのこと。ぼくはアレンジとギターの演奏とその他の楽器の打ち込みをやっている。歌っているのもそのtmrrさんの御学友です。アレンジに関して、「きゃるんきゃるんにしてほしい」というオーダーだったので、思いっきり90年代J-POPサウンドできゃるんきゃるんにしたった。これはボーカルはiPhone録音(ボイスメモ)で送ってもらったのだけれど、せっかく歌がうまいひとが歌っているのだから、もう少しよいアプリあるいは良い環境で録音してもらえばよかったという点を後悔している。録れ音がiPhoneボイスメモだとだいぶ限界がある……。アレンジは気に入っている。ミックスについてもすこしずつ勘所がわかってきて、「なにがわからないのかわからない」から「なにがわからないのかわかる」になってきた頃のように思う。

パーシモン

友人の島林深雪くん(以後みゆきくん)が曲を書いて、そこにtmrrさんが詞をつけたもの。本来はみゆきくんが歌っている曲なのだけれど、あまりに良い曲だったので錦玉もなかで勝手にアレンジして勝手につるさんに歌ってもらった。出来が良かったので、事後承諾で公開させてもらった。ミックスもだいぶうまくなってきて、音源の完成度としては多分今年一番の出来なのではないかと思っている(つるさんの歌のうまさにおんぶにだっこではある)。自分が書いた曲よりもこちらのほうがつるえさんの歌の良さが出ていて、かなり悔しい思いをした音源でもある。

ピクニック

ぼくがお世話になっているお店アルカフェの店主だんさんと友人のみゆきくんとが、つるえさん宛に合作された「ピクニック」という曲。つるえさんが出産を控えて里帰りされるということで、プレゼントとして制作されたとのこと。なのでボーカルもつるえさん。わたしはアレンジ(エレピ及びコーラスはだんさんの手によるアレンジ)とベースを担当。そのほかにも趣味レコーディング・エンジニアとして、みなさんの演奏のレコーディング(ボーカルがつるえさん、ギターと男声コーラスはみゆきくん、エレピと女声コーラスはだんさん)をして、ミックス、マスタリングをもぼくがやった。ミックスはトラックについてはだいぶよくなってきたが、ボーカルの処理がまだまだ甘い。というかつるえさんの歌すごい。Sounds Around、カレイドスコープ、パーシモン、ピクニックのすべてで、声がまったく違う表情を見せている。本当にすごいボーカリストだと思う。あと「好きな時間〜」という部分で「ん〜」をハイトーンで出させる作曲者は鬼だと思う。

台風のせい

またしてもtmrrさん案件。tmrrさん作詞作曲、歌。残りのパートのアレンジと演奏と打ち込みはぜんぶぼくがやっててすごい(自画自賛)。じつはいま聴くとエレピのアレンジちょっと直したいところがある……。 ミックスに関して、このあたりから「ステレオ感がどうしても足りない」「PANの問題ではなさそうだ」「ボーカルのミックスなにもわからん」ということに悩み始めている。この音源はtmrrさんがすごく喜んでくださったので、やってよかったと思う。自分のスキルがだれかに喜んでもらえるのって人間の根源的な喜びですよね……。

ノイジーペンギン

「最近ぜんぜん自分が歌う、しかもバンドでできそうな新曲作ってないな〜」という思いから作った曲。そういう半端な思いから作ったせいで、手癖で作ってしまった。そのせいかあんまりぴんとこなくて、結果自分の心の「イマイチ」フォルダに突っ込んである。けど好きって言ってくれるひとも結構いるのでそれは素直に嬉しいです。歌がちょっとうまくなってきたかもしれない。

図鑑を買いに

「ノイジーペンギン」の出来がいまいちだったことが心のどっかでひっかかってたんでしょう。すぐに次の曲を作った。「ノイジーペンギン」を「手癖」で作ってしまったことへの反省として、「いつもと全く違うアプローチで、違う曲想のものを作りたい」という気持ちで、かなり新鮮な心持ちで作った。Aメロ-Bメロ-サビ-Cメロ構成といい、アレンジといい、思いっきりJ-POPマナーをやりつつも、ちょっとヒネたポップス、というのがテーマ。アレンジもミックスも今の所だいぶ気に入っていて、良い出来になったと思う。おそらく音源の出来としては「パーシモン」につぐ出来なのではないかと思う。はやくこれが「この頃はレベルが低かった」といえるくらいにレベルアップしたい。

グラデーションスライダー

これもtmrrさん案件やんけ!!!! tmrrさんが自分の誕生日に向けてみゆきくんと合作したもののアレンジをした。楽曲があまり自分にない語彙のものだったので、そういうものを編曲するのは非常に勉強になった。ただこれは結構ミックスがたいへんだった思い出がある。というのも、全員遠隔で作業をしていたのが原因で、tmrrさんのボーカルの音とみゆきくんのボーカルの音が録れ音の段階で全然違う状態の録音だったんですよね。そのあたりをどうカバーするかという工夫をして、そこもたいへん勉強になる案件だった。

総括

こうして見ると、今年は10曲に関わっておきながら、純粋に自分の曲、自分が歌う曲というのは3曲しかやってないことがわかる。だいぶ「ひとのサポートをする」というのがメインの年になったと思う。しかし自分にとっては今年はDTMを始めてから一番音楽的に充実していたと言える一年だったように思う。バンドのレコードも作れたしね!

自分がメインの表現よりも、「だれかの表現を形にするお手伝い」のほうがぼくは好きなのだということに改めて気付かされたし(バンドでもどちらかというとそういう役回りだしね!)、そういうサポートを通じて自分のできることのレベルがぐんぐん上がっていくことが実感できる年だった。来年はこれをすこしでいいから収入に結びつけていくことを大きな目標としている。twitterのbioも「編曲家でプログラマ。弾き語りミュージシャンの編曲やレコーディング格安で請け負います。まずはDMか shinpeim@gmail.com にご連絡ください。相談は無料で乗ります」に改定しました。まだごらんのレベルだけど、「本物のプロに頼む余裕はないしそこまでガチではない、けど自分の弾き語りをバンドサウンドにしたい」とか「弾き語りを自分で録るよりもいい音で撮りたい」というようなニーズにお応えしたいと思っていますので、まずはご相談ください。